大学心理学部を卒業後の進路はどうなるのかな?進学それとも就職?
心理学部を卒業したらどんな就職先があるのでしょうか、調べました。
目次
就職する
心理学者・臨床心理士などの心理学専門家になるには、大学院へ進学することになります。
高校生の時点では、「大学院までいくぞー!!」と思っていても、「勉強についていけない」「経済的な理由」「ほかにやりたいことが見つかった」などで、大学院に進学しない学生はたくさんいます。
その場合は、心理学をいかした職場とゆうより一般職への就職になります。大卒で心理学をいかせる職場で働くのはなかなか難しいのが現状です。
新しくできた心理系の国家資格「認定心理師」ですが、大卒の場合は実務経験が必要になります。
大学心理学部卒では公認心理師に受験資格を取得できる施設に就職するのはほぼムリです。大学院に進学するのが無難な選択です。
大学院に進学する
大学院は、同じ大学系列の大学院に進学するケースと、他の大学院に進学するケースがあります。
同じ大学系列の大学院に進学すると、担当教授も同じことが多く、馴染んだ環境で研究ができるメリットがあります。
それでも、他の大学院に進学する理由としては、「学びたい大学教授がいる」「やりたい研究分野がある」「今の大学の担当教授と気があわない」「学歴ロンダリング」などがあります。
学歴ロンダリングとは、卒業した大学より偏差値の高い大学院へ入学し、学歴をよりよく見せることです。
大学院受験は大学より難易度が低いことが多く、高校時代は、絶対受からないと思った有名大学でも大学院は合格できることはよくあります。
就職の際など何事にも最終学歴が大事ですから、大学院は私立大学から有名国立大学へ…学歴ロンダリングするのも悪くないと思います。
大学心理学部・卒業後の進路の具体例
わかりやすく具体例でご紹介します。明治学院大学心理学部の進路・就職について。
2012年度 心理学科卒業生(208名)の進路
- 就職:123名(40.6%)
- 大学院進学:23名 (7.6%)
- その他進学:15名 (5.0%)
- 各種受験準備・留学:12名 (4.0%)
- 就職活動継続中:12名 (4.0%)
- その他(アルバイト等):23名(7.6%)
就職した卒業生の内訳(123名)
- 民間企業:85名 (50.3%)
- 医療・福祉:16名 (9.5%)
- 公務員:6名 (3.6%)
- その他:16名(7.0%)
進学した卒業生の内訳(38名)
- 大学院:23名(うち明治学院大学大学院進学者:10名)(30.8%)
- 学部:3名 (4.5%)
- 短大:0名 (0%)
- 専門学校:12名(18.2%)
公務員・心理職を目指す
心理学部から、公務員の就職をめざす学生はたくさんいます。
公務員の中には「心理職」と呼ばれる職業があります。いずれの心理職も採用試験に心理学に関連 した試験科目が含まれていまて、おおむね合格率は5%程度、あるいはそれ未満と極めて低くなっています。
公務員の心理職はどのようなものがあるのかご紹介します。
- 科学警察研究所研究員(国家公務員I種の心理職)
- 家庭裁判所調査官
- 法務教官
- 法務技官
- 科学捜査研究所研究員(警察職員としての心理職)
- 心理判定員/相談員(地方公務員上級の心理職)
『心理学部卒業後の進路・就職』のまとめ
●就職 ★★★ 大卒で心理学をいかせる就職先は少ないです。
●大学院 ★★★ 臨床心理士の資格をとるなら大学院へ。
●学歴ロンダリング ★★★ より偏差値の高い大学院へ進学する人も多い。
★★★★★難易度が高い ★★★普通 ★やや低い
心理学部卒業生からの口コミ
児童施設で心理カウンセラー(児童福祉施設)
児童養護施設で心理療法担当職員として働いています。
施設にはさまざまな理由から保護者と暮らせない児童が入所しており、その中でも、虐待が原因で入所している児童の心のケアを中心に行っています。(つづきは↓)
(スタディサプリ 東京福祉大学 心理学部心理学科 卒業後のキャリア参照)
保健室の先生として子供の心のケア/養護教諭(保健室の先生)
担任の先生には言えないような話をしてくれる子もいます。恋の話とか、嫌いな子の話とか。だれだれちゃんが嫌いだ、っていう話が高学年になると多くなってくるんですよ。
そんな時には「ちょっと違う視点」を与えてあげるようにしています。たとえば友達を「出しゃばりだ」って言う子がいたら、「みんなのために先頭に立ってくれてるんじゃない?」とか、
「あの子がいなかったら、クラスがまとまらないよね」と話してみたり。人の長所も短所も紙一重だから、「そういう考え方もあるな」と思ってほしいんです。
だいたい腑に落ちない顔をされるんですけど、心のどこかに残っていて、いつかわかってもらえたらいいなと思います。(つづきは↓)
(スタディサプリ 新潟青陵大学 看護福祉心理学部看護学科 卒業後のキャリア参照)
地方公務員として奮闘中/地方公務員
所属していた心理学科では、グループワークをする機会が多く、さまざまな対話を通じて心理学的な視点を養いました。
例えば1対1のペアを作り、一人が積極的に話しかけ、もう一人は興味なさそうに話を聞くという設定のもと対話をします。
その中で、「このような対応をした場合、相手はこんな感じの気持ちになる」「こういった話し方をした方がより相手に気持ちが伝わる」といった視野を体感的に学習。
今の職場では、外部の業者の方や他の部署の職員の方など、さまざまな人と関わる機会がありますが、専門分野の学びを通じて在学中に鍛えられたコミュニケーション能力は現場でも大いに役立っています。(つづきは↓)
(スタディサプリ 追手門学院大学 心理学部心理学科 卒業後のキャリア参照)
患者さんと医療をつなぐ窓口となる心理カウンセラー/臨床心理士
私が働く職場は病院内の臨床心理センターです。ここを訪れる患者さんの中には、「主治医の先生が苦手」「薬がきつくて本当は飲みたくない」など、複雑な気持ちを隠したまま治療を受けている方もいらっしゃいます。
また、そうした本音を打ち明けるにしても、人を選んで話すか話さないかを決めています。
そのため、私たち臨床心理士はさまざまなタイプの患者さんに臨機応変に対応し、言葉にできない思いを聞き出し、カタチにしています。
患者さんが次の治療のステップへ向かう手助けとなるように、主治医と連携をとりながら、私たち臨床心理士もチーム医療の一員として、患者さんに寄り添い、こころのケアができることに大きな誇りを感じています。(つづきは↓)
(スタディサプリ 川崎医療福祉大学 医療福祉学部臨床心理学科 卒業後のキャリア参照)