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記憶の種類を例えで解説!記憶と想起方法の種類

記憶の種類

記憶と聞いてパッと思い浮かぶのは、単語の暗記や計算の仕方など私たちが学校で習ってきた学習のことではないでしょうか。

記憶とは、あるものを覚え、その覚えたことを一定期間保ち、その後思い出すという一連の過程のことを言います。

もちろん単語の暗記などの勉強も記憶に含まれますが、それだけではありません。実は、歩き方や走り方などの運動も記憶のひとつです。

このように、日常のありとあらゆることを記憶して私たちは生活しています。

何かを覚えるということは、私たち人間だけでなく動物にとってもとても大切なことです。

特に野生動物が生きていくためには、えさのある場所を覚えなければいけないし、危険な物や場所を覚えることも必要になるでしょう。

記憶が出来なければそれは生死に直結してしまうのです。

それはもちろん私たち人間も同じです。

今回はそんな記憶と想起(記憶の思い出し方)の種類について簡単にですが、なるべく例を挙げて分かりやすく説明していけたらと思います。

記憶の種類

記憶と心理学について学びたい

記憶は記憶する内容によっていくつかの種類に分けることが出来ます。

手続的記憶

1つ目は、手続的記憶です。これは、運動の仕方や処理についての記憶です。例を挙げると走り方や自転車の乗り方など、言葉では上手く説明できないけど体が覚えていて出来るものがこれにあてはまります。

宣言的記憶

2つ目は、宣言的記憶です。こちらは先ほどとは逆に知識として知っていて、言葉で説明することの出来る記憶になります。また、この宣言的記憶は、意味記憶とエピソード記憶の2つに分けることが出来ます。

1.意味記憶

意味記憶とは、いつどこでなどのようなことがはっきりとしない記憶のことを言います。学校で覚える知識など一般的で抽象的な単語や概念の記憶はすべてこの意味記憶になります。

具体的に例をあげるとすれば、
「四角形の面積の公式は縦×横。」
「植物は光合成をしている。」と言ったことが挙げられるでしょう。

2.エピソード記憶

エピソード記憶とは、いつどこでなどがはっきりと分かる記憶のことです。

例えば、「8月28日に、家族全員で海に出かけて、海の家で焼きそばを食べた。とても美味しかった」といったように一つのエピソードになっている記憶のことを言います。

エピソード記憶は個人的な思いでの記憶になることが多いため、基本的に意味記憶よりも覚えやすいです。数学の公式を覚える時は、何度も口で唱えたり、公式を使って問題を解いたりと練習して私たちは覚えていくことが多いですが、毎日の出来事などは特に思い出そうとしなくても「そういえばあの時こんなことがあった」と覚えていられることが多いですよね。

しかし、「一昨日の夜の夕飯のメニュー」と言われると、パッと出てこない方もいると思います。これは、記憶と感情が結びついていないからです。

例えば海に行って「楽しかった!暑かった!流されそうでちょっと怖かった!」といったような感情が記憶する手がかりになっている場合はその感情と結びついて記憶しやすくなります。

また、頭の中でその時のことを具体的にイメージすることにより、自然とより深い記憶となって覚えようとしなくても自然に覚えていられることが多いのです。

しかし逆に、「一昨日の夕飯のメニュー」と言われても、それが普段とあまりかわり映えのしないメニューだった場合には深い記憶にならず思い出しづらくなってしまいます。

これがもしも、一昨日の夕飯が「高級レストランに行って、観たこともない料理をたくさん食べた!!」という事だったら、大抵の人は忘れたくても忘れられない記憶になることでしょう。

⇒音読で記憶力を高めよう(ロボえもん)

想起方法の種類

想起方法

記憶の思い出し方は2つの種類に分けることが出来ます。今回はテストの答案に例えてこの二つを簡単に説明したいと思います。

再生法

再生法は、テストで言うと、「○○の答えを書きなさい。」など、覚えたものを覚えたまま思い出す方法のことです。例を挙げると「3+7=」というような問題や「鎌倉幕府が作られたのは何年でしょうか?」といった問題の答えです。

再生法は更に3つの種類に分けることが出来ます。

1.系列再生

これは、覚えたものを覚えた順に思い出す思い出し方です。「徳川家歴代将軍を初代将軍から順に答えなさい。」などの問題で家康から順番に思い出していく方法がこれです。

2.自由再生

自由再生は、先ほどの系列再生とは違い、「徳川家歴代将軍を全員答えなさい」といったように順番は問わず、とにかく覚えたことを全部思い出す思い出し方です。

3.適中法的再生

これは、覚えることが対になっていて、ある事柄を提示されたらその対になっている事柄を答えるという答え方です。例えば、「生類憐みの令を制定した将軍は誰?」と聞かれたら、生類憐みの令の対になる答えは「徳川綱吉」というように、対の片方を提示して、答えを思い出す方法のことです。

再認法

再生法には様々な種類がありましたが、共通していることは、聞かれたことの答えをそのまま思い出すということです。

再認法は再生法とは違い、「生類憐みの令を制定したのは、徳川家康である○か×か」のように答えをそのまま聞かずに、自分が覚えている内容と正しいか正しくないかを判断する思い出し方のことです。いくつかの選択肢の中から正解を選ぶような思い出し方もこの再認法にあたります。

基本的に、再生法よりも再認法の方が思い出しやすいと言われていますが、これはまあ、何となく感覚で分かる事でしょう。答えを自分の頭で思い出して書く問題よりも、答えの○×を考えたり、語群の中から正解を選んだりするやり方の方がずっと思い出しやすいはずです。

まとめ

心理学まとめ

このように記憶と想起方法は、その記憶の仕方、想起の仕方の種類によって分けることが出来ます。

人は中々一つの単語を記憶しようと思っても上手くいかないことがあります。そのような時には、意味記憶である単語で物語をつくってエピソード記憶にしてしまうのも1つの手だと思います。

今回は本当に記憶の触りの部分だけを自分なりになるべく分かりやすいようにと心がけてまとめました。

これを覚えたからと言って、記憶力が良くなるとかそういうことは残念ながらありませんが、何か興味をもつきっかけにでもなってくれれば幸いです。

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